2007.06.06 Apple ProRes 422のホワイトペーパー その3

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前回より続きます

ProRes422の本来のターゲットは、ポストプロダクションといった業務用HDビデオ用途。このホワイトペーパーを読んでも明白です。だから、これらのユーザにとって興味は、「Appleの宣伝文句は本当か?。つまり、使い物になるのか?」という一点につきるはず。

さて、今回は、そういうことじゃなくて、
「私」にとってどう使い道があるか、といった観点からおもいつくまま書いてゆきます。
  

ここでいう「私」というのは、

● ハイエンドアマチュアユーザ。
● HDのソースは、現状では、HDVカメラ。今後を考えると、ビクターのEverio HDや、AVCHDカメラ辺りはあり得る。
● 出力先は、もちろん業務用ビデオなどではなく、せいぜい、次世代DVD-Video(Blu-ray DiscやHD DVD)をごく少数焼くくらい。
といっても現時点では、次世代DVD-Videoのオーサリングはできないので(DVD Studio Pro 5とBlu-ray Discドライブ付Macはまだですか〜)、SDに落としてDVD-Videoを作るのみ。HDビデオを再生したいときはHDVテープに書き戻すしか手はない。

こんなかんじです。

これだと、スモールスタジオ用途などの現状にも当てはまるのじゃないかな、と想像しますが。

[ 2006.08.25 Mac Pro その3 ]の中ほどにも書きましたが、わたしは、現在のところHDV native編集をあまり行っておりません。というのも、HDVで作品を完成させたところで、次世代DVD-Video(Blu-ray DiscやHD DVD)のオーサリング環境(DVD Studio Pro "5"や、Blu-ray Disc/HD DVD Recorderドライブ)が揃ってないし、また、オーサリングしたところで再生環境もない(家庭用Blu-ray Disc/HD DVD プレーヤが普及していない)からです。

そこで、割り切って、
今のところ、

HDVで撮影しておくが、Final Cut Proでの編集はDVアナモフィックでおこない、DVD-Video(当然SDビデオ)に焼く

にとどめておき、
近い将来、

次世代DVD-Videoのオーサリング環境・再生環境が普及したならば、そのDVアナモフィックプロジェクトを元に、"オフライン編集"機能を使ってHDV素材にすげ替え、DVD Studio Pro "5"で次世代DVD-Videoに焼く

(この辺り、MacDTV.comの[ Macで始めるDTV ] >> [ 中級編 ] >> [ バッチキャプチャー/オフライン編集 ]で詳しく解説しています)

といったことを考えています。

その頃には、AVCHDカメラも今よりは普及し(長い目で見れば、HDVカメラに置き換わってゆくはず)、Final Cut Proも当然AVCHDに対応していることでしょう。

そのときに、「私」は何を想うのかな、と想像してみますと。

素材は、HDビデオ素材としてはHDVとAVCHDが、SDビデオ素材としてはDVが、タイムライン上に混在する状況。
一方で、最終的にBD-Videoに持ってゆく場合のデータフォーマットはひとつ(MPEG-2かH.264か)。
さて、編集段階ではどんなデータ形式を使って、フィニシング(最終レンダリング)すると、便利・快適か?

を気にしているだろうと思います。

考え方としては、ふたとおり。
(1) 編集段階では、HDビデオ素材としてはHDVとAVCHDが、SDビデオ素材としてはDVが、タイムライン上に混在させておき、最終レンダリング時に、書き出しフォーマットを統一する。
(2) キャプチャー時点ですでに1種類のデータフォーマットに統一しておき(ここでApple ProRes 422を利用)、編集段階をおこない、タイムラインごと最終レンダリングする。

(1)の混在編集も、Final Cut Pro 6の新機能であるオープンフォーマットタイムラインにより、「例えばHDVのプロジェクト上で編集していても、AVCHD素材やDV素材でもプレビューレンダリングは不要」という具合に必ずしも不自由はないはずです。
ですが、いっそのこと、(2)のキャプチャー時にApple Pro Resで統一して編集した方がなにかと便利なのかも。例えば、(1)の欠点は、

● やはりなんといっても、MPEGやAVCHDのようなLong GOPなフォーマットは、編集しにくい。
なにかと重いし。ハンドリングがいまひとつだし。

● 編集中に、色味をビデオモニタ上で確認できない
nativeHDV編集の不便な点のひとつが、編集中に「外部ビデオ」に出力しての色味の確認が出来ないこと。DV編集だったらDVカメラ経由で外部ビデオでプレビューできますよね。この手軽さがHDVでは味わえないのが、とても不満です。

ですが、素材をApple Pro Resで統一しておくと、外部ビデオでプレビュー(例えば、Intensityを使ってHDMI出力でプレビュー)なんてことができて良いかも。

等のふたつが挙げられます。そこも(2)のキャプチャー時にApple Pro Resで統一して編集すると、解決しそうです。

続きます...

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