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トップページ > Macで始めるDTV > 中級編(Final Cut Studioを中心に)>

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2002.07.10初稿

2009.10.18改訂

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[中級編]ビデオの表示
インターレース表示とプログレッシブ表示

[基本編] ビデオの表示では、SDビデオやHDビデオ、それらのフレームサイズやアスペクト比等について解説しました。[中級編]では、さらに、ビデオの表示の詳細を解説します。フレームとフィールド、プログレッシブ表示とインターレース表示について解説します。

走査線

TVの表示も、"1秒間に約30枚の紙(フレーム)がめくられ続ける紙芝居"方式で描画されている、と説明しました。

とはいえ、ホントに紙芝居をめくっているわけではなく、1枚1枚のフレームを描くときにも、画面の左上から右上へ、次の行を左から右へ、...(と一段ずつ下へ移動してゆき)...、再下段を左から右へ描ききって始めて、1枚のフレームの描画が完成します。

このやりかたは、TV上でビデオを表示するときも、あるいは、Mac(やPC)のモニタ上で描画するときも、理屈は同じです。でも、ちょっと違っています。プログレッシブ表示かインターレース表示かの違いです。

プログレッシブ表示(順次走査)

Mac(やパソコン)モニタの表示は、モニタ解像度設定にもよりますが、1秒に60〜90回(60Hz〜90Hz。)、このように「画面の左上から、一段ずつ下へ移動してゆく...」という描画を繰り返しています。

プログレッシブ表示(順次走査)といって、右図のように非常にシンプルです。

インターレース表示(飛び越し走査)

一方、"A/Vビデオ"の信号は、ちょっとややこしくて、インターレース表示(飛び越し走査)されるものの方が多いのです。

どんなビデオがインターレースで、どんなビデオがプログレッシブかは、このページ後方[ 480/60i、720/30p、1080/60i ...といった表記の意味 ]で紹介します。

インターレース表示がなされるビデオ信号においては、ひとつのフレームは2つのフィールドから成り立っています。

フィールド1   フィールド2
   

フレーム

それぞれフィールド1(奇数フィールド)とフィールド2(偶数フィールド)と呼びますが、図のように、それぞれのフィールドでは、水平走査線を一本置きに交互に表示しているのです。このような表示法をインターレースといいます。

インターレース表示の概念図

まず、フィールド1を一列とばしで(上図での青ラインを)走査し、次に、フィールド2を一列とばしで(赤色ラインを)走査します。フィールド1を60回/秒、フィールド2を60回/秒描いています。フィールド1とフィールド2とで、ひとつのフレームが描かれるので、30 fps(frame /秒)という計算です。

なぜ、インターレース表示をするのか

なぜ、そんなめんどくさいことをしているかというと、こんな理由からです。

プログレッシブで30fps表示すると、1秒に30枚の紙芝居をめくることになります。結構なスピードのように思えますが、動きの速い画像の場合、人間の目ではぎこちなく見えてしまいます。つまり、インターレース方式が採用されている理由は、単純にフルフレームを約30fpsで表示(=プログレッシブ表示)した場合、画面が明滅しているように見えたり、動きの速い被写体がぶれて見えたりすることを防ぐためです。すなわち、インターレース表示により、擬似的に60fps表示させることでちらつきやブレを防いでいるのです。

プログレッシブ
 
インターレース
フレーム1

フレーム1の
フィールド1

フレーム1の
フィールド2
フレーム2
フレーム2の
フィールド1
フレーム2の
フィールド2
フレーム3 
フレーム3の
フィールド1

水平走査線を1本ずつ飛び越し走査することで、図をごらんになるとおわかりのとおり、単位時間当たりの伝送データ量は同じでも、擬似的に約60fpsで表示しているかのように見せているのです。この結果、画面の明滅感はなくなりますし、速い被写体のぶれは避けることが出来る、というわけです。

ちなみにMac(やPC)のモニタは、プログレッシブ走査にもかかわらず、ちらつき感が感じられない理由は、TVの倍以上の頻度で画面を書き換えている(走査周波数が高い)ためです。お使いのMacのディスプレイシステム環境設定をご覧ください。60Hzや75Hzになっていますよね。これらは、60p(1秒に60回、プログレッシブで描画)や75pになってますよね。

インターレースにまつわる諸問題

DTVを行うにあたってインターレースの問題は、DTVソフトで正しい設定が選択されていさえすれば、編集時にはあまり気になる問題ではありません。とはいえ、以下のようなことが起こった時は、インターレースのことを思い出してください。

  

作成したムービーをビデオ上で再生したとき、ちらつきが出る、微妙に(左右に)揺れる、水平方向に「くしの歯」状の模様が見える、といったときには、この問題を思い出してください。このような場合は、ムービーレンダリングの際のフィールド関連設定を疑ってみるといいでしょう。最終レンダリング前に、仮ムービーを実際にTVに表示させ、フィールド関連設定が正しくなされていることを確認して下さい。

  

また、ビデオから静止画を作ろうとしたときに、動きの速い場面の場合には静止画がぶれてしまいます。
この理由は、図のとおり、フィールド1とフィールド2とを合成してフレームを作っているためであり、原理的に避け切れません。

フィールド1   フィールド2
   

フレーム

 

480/60i、720/30p、1080/60i ...といった表記の意味

さて、[基本編] ビデオの表示のこの箇所で、

HDビデオには、主だったものに、1920×1080i、1440×1080i、720pなどがあります。

ここで、末尾に"i"とか"p"とか書いていますが、iはインターレース、pはプログレッシブのこと。インターレース、プログレッシブについては、[中級編]で解説しますので、ここでは気にしないでください。

と書いてありますので、これらの点を解説しましょう。

以下、30fpsとの記載は、正確には29.97fpsです。

480/60i

SDビデオは、フレームサイズ720×480で、30fps(フレーム/秒)のインターレース表示です。

インターレース表示ということは、1フレームが2フィールド。30fpsということは、60フィールド/秒ということです。

これらのスペックから、SDビデオのことを、480/60iと呼びます。フレームの水平解像度の「480」、「60」フィールド、インターレースの「i」を並べて、480/60i、といった具合です。

1080/60i

規則に当てはめて考えていただければ、1080/60iの意味もわかりますね。

フレームの水平解像度が「1080」、「60」フィールド、「i」、つまりインターレース表示がなされるビデオ、といえば、HDビデオです。

例えば、1920×1080/60iとは、フルハイビジョン。1440×1080/60iは、地上波デジタル放送やHDV。

1080iには、このほかに、ヨーロッパ圏でのデジタル放送などで1080/50i等もあります。また、映画Blu-ray Discでは、1080/24pもあります(フィルムは、プログレッシブで24コマ/秒なので、1080/24pがもっとも相性がよいのです)。

720p

同様に、720pとは、フレームの水平解像度が「720」で、「p」、すなわちプログレッシブ表示がなされるビデオのことです。

720pには、日米では、主に720/30pや、720/60p等があります。ヨーロッパでは、720/25pや720/50pがあります。

 

こういったネーミングルールをマスターすれば、Final Cut Proの[簡易セットアップ]でどれを選べば良いか、わかるようになります。

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[ 中級編 ] ビデオの表示

この記事のURL

http://www.macdtv.com/GuideToDTV/intermediary/01-02-Frame_IP.html

更新履歴

2002.07.10 初稿を公開しました。

2005.10.23 大幅改訂し、[ビデオの基礎知識]編として公開しました。

2009.10.18 Macで始めるDTVのリニューアルに伴い、全面改訂を行いました。

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