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DV MasStor
ファイルフォーマットモードについて

2002.05.30初稿
2002.07.10改訂

   

DVカメラと接続してDVダビング可能な[VTRモード]、Macに接続すると外部HDDとして認識される[ファイルフォーマットモード]の双方を備えたDV MasStorですが、ここでは[ファイルフォーマットモード]についてご紹介します。

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続いて、DV MasStorの特徴の中で、最大のポイントである「ファイルフォーマットモード」に関し、詳しく見てみましょう。

ドライブのフォーマット

Macから見ると、FAT32(Windowsの標準フォーマット形式のひとつ)でフォーマットされたHDDに見えます。

MacはFAT32でフォーマットされたボリュームも読めますので、ちゃんと認識できるわけですね。

このように、外部HDDとして認識されますから、読み出しは自在です。

ただ、書き込みはできない(すなわち、Read onlyのHDDとして認識される)という仕様なので、編集後の作品をDV MasStorに書き出すためには、[VTRモード]に切り替えてDTV編集ソフトからDV書き出しを行う必要があります(DVカメラに書き出す手順と同様)。

この点はすこし残念なのですが、でも、Mac側でファイルを生成したって[VTRモード]に戻したときにDV MasStarが再生不可能なファイルだったら意味がないし、トラブルの原因にもなりますから、こんな措置を取らざるを得ないことは理解できます。

 

2002.07時点の注意 

今回お借りしたDV MasStor(Ver.4 リリース直前版)では、DV MasStorはMac OS Xでは認識されないようです。Disk Utilityが立ち上がって、「初期化しますか」と尋ねてきますが、もとよりファイルフォーマットモードでのDV MasStorは書き込み禁止なので、初期化できるはずもありません。

     

ファイル形式

ファイル形式は、DVネイティブ(DVストリーム *.dv)で記録されています。また、9分(2GBの壁)を越える映像に関しては、2GBごとの連番ファイルになります。

下図ですと、S0001、S0002、S0003、S0004、S0005、S0006、がそれぞれ「シーン」となっています。

シーンS0006の場合、計60分が1シーンなので、S0006-01.dvからS0006-07.dvまで2GBごとに分割されています。

FAT32ならファイルフォーマット自体は2GB以上のファイルも許容するんですけどね。なにか別の制約があるのでしょう。

      

ドライブの性能ベンチマーク

DV MasStor内にある「9分52秒26フレーム(容量は2GB)」のDVファイルを、Mac純正内蔵HDDにコピーしてくると、7分16秒掛かりました。これでは、

● 「実時間の2/3」にしか短縮されていないなあ

(これだと、60分のファイルをコピーすると40分掛かる計算)

● どうも「普通のFireWire HDDからのコピー」に比べて遅い気がする、

と思いましたので、さまざまな条件でベンチマークを採ってみました。

テスト機種
  PowerMac G4 733MHz(Digital Audio)、1GB RAM
     
使用ドライブ(いずれもMac拡張フォーマット(HFS plus))
  純正内蔵HDD
    IBM DLTA 307060(60GB 7200rpm)
  FireWire HDD(速)
    IBM DLTA 307060(60GB 7200rpm)をFire Rack (ATA66)に装着。
  FireWire HDD(遅)
    IBM DLTA 305040(40GB 5400rpm)をFire Rack (ATA66)に装着。
  RAID HDD
    2台のIBM DLTA 307060(60GB 7200rpm)をAHARD RAID66 AEC-6860Mでストライピング

 

まず、DV MasStorと普通のFireWire HDDとの間で、読み込み側ドライブの性能(Read性能)を比較を行いました。

結果 1
    
読み込み側ドライブ
書き込み側ドライブ
ファイル(9' 52'' 26f)
コピーに要する時間
DVMasStor
純正内蔵HDD
7' 16''
FireWire HDD(遅)
純正内蔵HDD
4' 28''

その結果、案の定、DV MasStorからのファイルコピーは、普通のFireWire HDDからのファイルコピーに比べて、相当遅いことがわかりました。

念のため、書き込み側ドライブを結果1よりも速いRAID HDDに変えてみますと、

結果 2
    
読み込み側ドライブ
書き込み側ドライブ
ファイル(9' 52'' 26f)
コピーに要する時間
DVMasStor
RAID HDD
7' 07''
FireWire HDD(遅)
RAID HDD
2' 52''

結果 2に示すとおり、DV MasStorと普通のFireWire HDDとでは、ファイルコピー性能において大きな差があることが明らかになりました。

結果 1と結果2から、読み込み側ドライブ(Read性能)と書き込み側ドライブ(Write性能)の双方が、ファイルコピー速度に影響を与えることが読みとれたので、次に、書き込み側ドライブの影響(結果 3)、読み込み側ドライブの影響(結果 4)をそれぞれ調べました。

結果 3
    
読み込み側ドライブ
書き込み側ドライブ
ファイル(9' 52'' 26f)
コピーに要する時間
DVMasStor
RAID HDD
7' 07''
DVMasStor
純正内蔵HDD
7' 16''
DVMasStor
FireWire HDD(速)
7' 37''
DVMasStor
FireWire HDD(遅)
8' 51''

結果 3を見るとわかるとおり、書き込み側ドライブの性能が向上するにつれ、ファイルコピー速度の向上してゆく傾向は読みとれます。

しかしながら、なんといっても、結果 4(4a、ab)を見ると、読み込み側がDV MasStorの場合、(遅いケースだと9分近く、速いケースでも7分掛かるなど)相当遅いことが顕著です。

結果 4a
    
読み込み側ドライブ
書き込み側ドライブ
ファイル(9' 52'' 26f)
コピーに要する時間
DVMasStor
FireWire HDD(速)
7' 37''
FireWire HDD(遅)
FireWire HDD(速)
3' 38''
    

 

結果 4b
    
読み込み側ドライブ
書き込み側ドライブ
ファイル(9' 52'' 26f)
コピーに要する時間
DVMasStor
FireWire HDD(遅)
8' 51''
FireWire HDD(遅)
FireWire HDD(遅)
3' 31''

   

   

ということで、まとめますと、

● DV MasStorからのファイルコピーが遅い原因は、DV MasStor側に主な原因があるようです。

・DV MasStorのフォーマットが(HFS plusではなく)FAT32であること?、
・DV MasStor搭載HDD自体が遅い?、
・DV MasStorとMacとの間のFireWire通信に問題がある?
・DV MasStor側の送り出しに問題がある?、Macの受け側に問題がある?
などといった可能性が考えられますが、いうまでもなく、定かではありません。FAT32ネイティブのWin環境でのテストは今回は時間切れのため実施していません。

また、DV MasStorからのファイルコピーが遅いことは容認するとして、その場合、

● Mac側で高速HDD環境で受けることで、若干の高速化が図ることができる

が、普通のFireWire HDDと同等の速度までに改善(回復)させるには至らない

といったところが、ベンチマーク結果から読みとれました。

   

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