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RT Mac with Final Cut Pro
World PC Expo 2000 アップルブースでのデモ

2000.10.17初稿
2000.11.05改訂


World PC Expo 2000のアップルブースでは、RT MacとFinal Cut Proのデモが行われていました。ここでは、デモの内容からRT Macの最新情報をまとめます。

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     WorldPCExpo2000アップルブースでのデモ


2000年10月のWorld PC Expoのアップルブースの目玉は、なんといっても、Mac OS X Public Beta日本語版QuickTime 5日本語版公開プレビュー版だったのでしょうが、なんといってもMacDTV.comとしては、どうしてもRT MacTARGA Cineに注目してしまいました。ステージなんてちっとも見てなかった(笑)。しかも、非圧縮には無縁なわたしとしては、ほんとはRT Macばっかりに興味があったんですけどね。

で、展示中のRT Mac、顔なじみのアップルの方がブースで説明しておられましたので、根ほり葉ほり小1時間かけてお聞きしてきました。

以下の記事の図は、デモ内容を再現したものであり、開発中のRT Mac + Final Cut Proのスクリーンショットではありません。記載内容についても、デモの際にお聞きしたことを記憶をもとに記述しているため、正確性に欠く部分もあるかもしれません。また、いうまでもなく、最終仕様と異なる点もあるかと思います。これらの点、ご承知おきください。



リアルタイムプレビューの恩恵

RT Mac、DVをターゲットにしており、クロスディゾルブやワイプといったトランジッションや、V2トラックにタイトル入れしたり、といった効果なんかをリアルタイムプレビューしてくれます。Macモニタ上も、RT Macの外付けOut Box経由のNTSC出力にもリアルタイムに(プレビューレンダリングなく)表示してくれます。これは使ってみると非常に快適です。

これまでだと効果を掛ける位置をちょっと動かす度にプレビューレンダリングして確認しなくてはならなかった訳ですが、RT Macだと位置を動かしてもすぐに確認できるんですもの。


図1 現状のFinal Cut Pro


例えば、クロスディゾルブといったトランジッションや、エッジ付きテキストといったジェネレータをタイムラインに新規配置したときには、言うまでもなくプレビューレンダリングしなくてはなりません。図1において、レンダリングステイタスバーの赤い箇所が未レンダリングシーンであることを示しています。

まあ、それは我慢するにしても、これらのエフェクトを開始時間や継続時間をちょっとずらしただけでもいちいち再プレビューレンダリングしなくてはならないのは、編集していると非常にストレスが貯まります。


ところが、RT Mac使用時の場合、大抵のエフェクトならレンダリングなしにリアルタイムプレビューが可能になるのです。


図2 RT Mac使用時のFinal Cut Pro
(デモ内容を再現した想像図。実物のスクリーンショットではありません。)


レンダリングなしにリアルタイムプレビュー可能な箇所は、図2でレンダリングステイタスバーで緑色に表示されているところなのですが、この部分は(レンダリングすることなく)再生ボタンを押すだけで、Macモニタ上、および、RT MacのOut Boxに接続されたNTSCモニタ上にプレビューが表示されるのです。

といった、汎用する効果の場合も、すべてリアルタイムプレビューできるのだから、非常に編集作業が快適になりますよね。


意地悪して、効果を二重に掛けてみた場合、

でも、

この辺りに、RT Macの能力の分水嶺があるようです。


なお、RT Macは最終レンダリングにはなんの影響も及ぼさない、とのことなので、これは残念です。

また、リアルタイムプレビューがFireWireにも流れれば最終レンダリングなしに出力できることになるのですが、これもできないようです(NTSCアナログ出しは可)。



ハードウェア環境

デモでは、PowerMac G4 Dualを使用していましたが、Single Processorマシンでも大丈夫なようです。また、HDDも、純正の内蔵ATA HDDを使用していました。


RT Macは、PCIカードと、そのカードに接続するOut Boxからなっています。

外付けOut Boxについては最終製品とは異なり、今のところはRT2000と同じものです。ここには、NTSCモニタ用のアナログ出力の他、RGBモニタ出力端子があり、このモニタ端子を使って、デュアルモニタ環境になります。

図 モニタコントロールパネル
(デモ内容を再現した想像図。実物のスクリーンショットではありません。)

RT MacのOut Box上に搭載されているRGBモニタ出力端子がモニタコントロールパネルから認識されていました。

これ、便利ですねえ。というのも、Mac OS X移行時代をこれから迎える訳ですが、Dual Display環境をサードパーティ製Displayカードで構築していると、ドライバの最適化がどうの、相性がどうの、といろいろ問題が生じそうです。でも、RT Mac上でDual Display環境を構築しておけば、後は、Appleが何とかしてくれるだろうからです。

なお、WinでのRT2000では、DisplayカードもMatrox製品に替える必要がありますが、RT Macの場合は、もちろん、純正DisplayカードでOKです。



ソフトウェア環境

RT Macの機能を引き出すには、当然、RT Macに対応したソフトウェアが必要です。これは、当然Final Cut Proですが、RT Mac対応バージョンのバージョン番号については内緒(というか、バージョン番号をなんにするのかまだ決まっていないそうです)。RT Mac対応のエフェクトは、ブラウザ上のリストでBold文字で表示されています(ま、効果の種類は最終版では益々増えるでしょうから、今、数がどうの、と言う必要はありますまい)。

このバージョンのFinal Cut Proが、例えばMacOS X対応か(Carbonizeされているか)などは不明ですし、それに、RT Mac対応版Final Cut Proの開発とMacOS X製品版開発が同時期に進行する以上、アップル自身でも今のところではわからないというのがほんとのところでしょうか。

これで、今のところ、アルファ版くらいの出来(ベータのその前の版)、とのことですが、どうしてそうして、安定しています。もともと、Final Cut ProってDTV編集ソフトとしては信じられないくらい安定していますが、アルファ版とはいえRT Mac対応版Final Cut Pro、ぐるぐり動かしても凍りません。RT Mac Public beta(笑)なんていって、出荷開始してほしいくらい(笑)

これだと、なにも(安定性を重視するために)MacOS Xに以降する必要はなく、当面は、現行MacOS上でRT Mac+Final Cut Proを使っていてもなんの問題もないかもしれませんね。

あ、皆さんお知りになりたいでしょう出荷時期と価格、アルファ版の時期に質問しても答えようもないだろうと思って、あえてお尋ねしていません(笑)(笑)


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