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2001.06.16

 

2001.06.16 EizoのJogsterはどうなのか。

2001.05.29の記事[ナナオ社から、編集用ジョグコントローラ登場]でお伝えしたEizoのJogster。病院通いの日々、秋葉原に立ち寄るごとに探しているんですが、全然出くわしませんねえ。唯一、OEMのCanopus社JD-1をさわりましたんで、こちらのインプレッションでご勘弁を。

ダイアル中央のボタンを押すことで、ジョグとシャトルを切り替えることができます。が、ジョグはコマ送りの数だけ何回転も回すもの、シャトルはねじった角度で早送り・巻き戻し速度を指定するもの、ですので、おなじダイアルで操作するには幾分違和感があります。
操作の目的が違うのにそれをおなじダイアルで兼用する、っていうのは、インターフェースとして正しいんだろうか、と疑問も持ちます。ここで、インターフェースなんて言葉を使うわけは、この製品はあの川崎和男さんデザインだからです。MacPower誌2001年3月号の連載「モノのアンソロジーIII」ですでにたっぷり語っておられるので、興味のある方はどうぞ。なにしろ、相変わらず雄弁な方で(笑)、知らない分野の製品だと「ほー、そうかぁ」と聞き惚れてしまうところですが、編集コントローラといった私たちに身近なデバイスだと、雄弁な言葉に流されるままということはありません(笑)。ついつい、つっこみを入れたくなるのが人情というものです。

手前側が切れているデザイン、コンパクトといえばコンパクトですが、一方で、この手のジョグダイアルの持ち方というと
ダイアル部に手のひらを被せるように持ち、人差し指ではダイアルの穴に当てつつ、人差し指、中指、薬指、小指でダイアル向こう側の各ボタンを操作する、ってポジションになるのですが(ShutllePROだって、そう)、手前が切れていてパームレストがないので、なんだか疲れます。厚さがないのは助かりますが。この印象を持った後で、あらためて、この記事を読み返しますと、

編集した映像は最終的にどんなメディアになるのかというアイデアから、DVDやCD-ROMといったメディアを意識すれば、そのパッケージと同サイズにコントローラーの大きさがまとめられないかということになる。....(中略)....当初は手首のパームレストを設置することも考慮したが、実装的には、DVDやCD-ROMのパッケージと同サイズで厚さ的にもかなり薄く回路設計が可能であったためにパームレストは無用になった。(MacPower誌2001年3月号249ページから引用)

案の定ですね。技術的に薄く小さく設計可能だったからパームレストは付けなかった、って、本末転倒のような(笑)。パームレストって使い勝手の点でこそ採用を決めるべきものでしょ。まあ、けど、考えてみると、パームレストが欲しいユーザは、別途用意すればいいのか(笑)。

サイズに関しても、編集した映像は最終的にどんなメディアになるのかというアイデアからって言われたって、じゃあ最終作品がminiDVだったらあの大きさにするのかな??、Webだったらどんなサイズにすればいいの??、なんてつまらない茶々入れはともかく、せっかくの川崎さんデザインなのですから、編集コントローラは、机の上のどこに置くべきか、その際のサイズ・形はどうあるべきか、を教えて欲しかったなあと思います。
ビデオ編集時には、キーボード、編集コントローラ、マウスを机の上に置かなくてはならないのですから、そうなると、一つの考えとしては、キーボードの手前に置く、となると、横長の形が必然になるし、両手での操作もするでしょう。もう一つの考えとしては、キーボードの右側、となると、マウスにじゃまにならない形・サイズにする、あるいは、編集コントローラ上にポインティングデバイス機能も持たせる、といったことになりそうですが。いかがでしょう。(ShuttlePRO自体がマウスそのものでもある、なんてのもおかしいかも(笑)。)
まあ、テンキーなしのキーボートとその右にJogster、そしてその右にマウスパッド、といった配置ならいいのでしょうが、Apple Proキーボードのようなテンキー付きフルキーボードだと、その右にJogsterとマウスパッドとの両方置くのはがつらいですね。PowerBook G4とjogsterだと、双方とも薄いし、配置のバランスもけっこう良いかも。でも、両者のデザインテイストはまったくちがうんですけどね(PowerBookG4はすっきり高級感ある端正あるフラットさ、Jogsterはプラスチックで川崎風波々表面処理)。

ダイアルのクリック感は、ちょっとだけ安っぽいです(CommandPostほど安っぽくはないが(笑))。これも川崎デザインにありがち(笑)で、その昔富士通のInterTopなんて、画像と雄弁な文章だと非常にそそられるけど実物を見るとがっくり、ってパターンの典型でした。この編集コントローラも幾分そのけがあります(笑)。

レスポンス(応答速度)に関しては、ソフトやドライバの出来次第なので、Jogster for Macでのレスポンスを類推することはできません。なお、試用したのはRex-RTでしたが、特に可もなく不可もなく、といったところです。

ということで、うーん、これで、標準価格3万円弱かなあ、という気もします。こうなると、ShuttlePROのコストパフォーマンスが光りますね。

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