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ビデオの色
AfterEffectsからFinal Cut Proへ
2004.11.10初稿
2004.12.10改訂
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これまで説明してきた挙動をご理解頂いた上で、よくありがちなケースとして、AfterEffectsで作ったムービーをFinal Cut Proに持ち込むケースでの挙動をおさえておきましょう。

DTV編集ソフトからRGBに書き出す場合の「色の問題」

繰り返しますが、AfterEffectsはRGB色空間を使用しています。だから、こんな

RGB=0,0,0の黒から、255,255,255の白へのグラデーション画像をAfterEffectsで素材として扱う場合、こんな風なRGB波形になります。

下記のColor Finesseの波形で、100がRGB100%(255)の白、0がRGB0%(0)の黒です。

さて一方、AfterEffectsから(Final Cut Proで読み込むことを前提に)ムービーに書き出すとき、

大きく、

YUVムービー(例えば、DV Codecを使用したQuickTimeムービー)に書き出す場合

と、

RGBムービー(たとえば、圧縮なしやPhoto-JPEGのQuickTimeムービー)に書き出す場合、

とがあります。これから実験結果をごらん頂くわけですが、実は、これらのいずれの方策をとるかによって、結果が大きく変わってきます。

これらのCodecの設定の仕方は、[ファイル]メニューの[書き出し]コマンドで現れる[ムービー設定]ダイアログ(右図)上で、[ビデオ]の[設定]ボタンを押し、

圧縮設定で選択します。本実験では、YUVムービーとしては[Apple DV](DV/DVCPRO - NTSC)、RGBムービーとして圧縮[なし]を使用することにします。

次に、よくあるのが、他のDTV編集ソフトに渡す場合。例えば、AfterEffectsのようにRGBカラースペースを使用するソフトへビデオデータを渡す場合、YUV→RGB変換処理がなされます。

ここでは、Final Cut ProからPhotoshopやAfterEffectsに書き出すケースを例に、YUV→RGB変換処理の挙動について解説してゆきます。

Final Cut ProからAfterEffectsに書き出す場合、二通りの方法があります。

Final Cut Proから「YUVを使用したCodecのQuickTimeムービー」に書き出して、AfterEffectsで読み込む際にYUV→RGB変換を行うやりかた、

そして、

Final Cut Pro上で「RGBを使用したCodecのQuickTimeムービー」にYUV→RGB変換して書き出してから、AfterEffectsで読み込むやりかた、

の二通りです。ただし、前者(AfterEffectsでYUV→RGB変換)でも、後者(Final Cut ProでYUV→RGB変換)でも、この変換処理はQuickTimeが担っていますので、処理自体は同じことをやっています。

では、早速、YUV→RGB変換処理の挙動を見てみましょう。

Final Cut Pro(DV-NTSCプリセット(だからYUVですね)で、0〜100IRE相当のビデオ画像と、0〜109IRE相当のビデオ画像を、DV Codecを使用したQuickTimeムービーに書き出します。

こうして書き出されたムービーファイルは、YUVデータです。

そして、このQuickTimeムービーファイルをAfterEffectsで読み込みます。AfterEffectsプロジェクトのプリセットはDV-NTSCを使用しますが、

DV-NTSCだからYUVなのね、と早合点してはいけません。AfterEffectsでは、どんなプリセットであっても、RGBカラースペースを利用してRGBレンダーがなされます。つまり、YUVムービーもAfterEffectsで読み込んだ時点で(QuickTimeによって)RGB変換されます。

評価は、AfterEffects 6.5に無料バンドルされている、カラー補正プラグインソフトColor Finesseを使用し、

Luma waveformで輝度レベルを見てみます。この場合の縦軸はRGBでの白黒で、100%がRGB=255,255,255の白、0%がRGB=0,0,0の黒です。

Y=0〜100IRE相当のデータを含むYUVムービー

Y=0〜109IRE相当のデータを含むYUVムービー

AfterEffectsで読み込み(ここでYUV→RG変換)、
Color FinesseのLuma waveformで輝度レベルを検証

AfterEffectsで読み込み(ここでYUV→RG変換)、
Color FinesseのLuma waveformで輝度レベルを検証

ごらん頂くとわかるとおり、

Final Cut Pro(のYUVデータ)の時点では存在していた100〜109IRE相当のスーパーホワイトが失われていることは一目瞭然です(右側の図)。

一方、0〜100IRE(相当)の成分を含むQuickTimeムービーをAfterEffectsに読み込んだ場合には、うまく、RGBで0〜100%へと換算されていることもわかります(左側の図)。

もっとはっきりと、100〜109IRE相当のスーパーホワイトが失われていることを示すために、

こんな階段状のテスト画像でも行ってみました。100IRE(相当)の成分は、AfterEffects上では失われてしまっていることがはっきりとわかりますね。

Y=0〜100IRE相当のデータを含むYUVムービー

Y=0〜109IRE相当のデータを含むYUVムービー

AfterEffectsで読み込み(ここでYUV→RG変換)、
Color FinesseのLuma waveformで輝度レベルを検証

AfterEffectsで読み込み(ここでYUV→RG変換)、
Color FinesseのLuma waveformで輝度レベルを検証

 

以上の実験から、DTVソフトからRGBに書き出すというケースでは、RGBソフトに読み込んだ時点で、(QuickTimeの変換機能によって)、元々のYUVムービーに含まれていた100IRE相当(Y=235以上)の成分は失われて、RGB=255,255,255にされてしまう(つまり、白がクリップされてしまう)ことがわかります。一方、0〜100IRE(Y=16〜235)の成分はうまくRGB0〜255に換算されることもわかります。

ということで、スーパーホワイトを含むYUVデータを、Final Cut Proから書き出してRGBソフトに持ち込んで編集する場合には注意が必要です。

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