Macと「すーぱーてろっぱー」でビデオタイトラ
 

   

MACLIFE97年10月号のビデオ編集機材カタログ(p.138)をお読みの方はご存じの通り、(株)コンパル社から「すーぱーてろっぱー」という製品が発売されています。

この製品は、VGAをNTSCに変換するものですが、
NTSCとVGAとを合成(スーパーインポーズ)できる優れものです。

これを応用すると、Macとすーぱーてろっぱーで「ビデオタイトラ」の出来上がりです。


(接続図)

 


(操作法)

1. Mac側の準備

  • プレゼンソフト(PowerPointやPersuasionなどで)紙芝居を用意しておく
  • まず、背景色を決めておく(赤、青、緑、水色、黄色、紫、白、黒など)
  • 一枚目の紙芝居は、背景色のみ
    2枚目の紙芝居は、背景色の上にタイトル文字(画像でもよい)を入れる
    以下、b)c)の繰り返し

2. すーぱーてろっぱー側の準備
 Dip Switchでキー色(1.での背景色)を設定する

3. 再生側ビデオ(NTSC)を流す。

4. Macで、紙芝居を始める。

 ・1枚目の紙芝居(背景のみ)では、画面全面がキーで抜ける
   →再生ビデオの画像のまま

 ・2枚目の紙芝居(背景+文字)では、背景だけがキーで抜ける
  →再生ビデオの画像の上に、文字だけがスーパーインポーズされる

非常に、簡単ですね。


(画質)  この画像の取り込み方法を読む

「すーぱーてろっぱー」使用時         元画像      

 

--118KBのJPEG画像を表示--    --115KBのJPEG画像を表示--
ダウンロードに時間がかかりますので、ご注意下さい

上の2つの画像は、gif画(256色)になっていますので、色の解像感については、それぞれのJPEG画像(フルカラー)をご覧下さい。


全体的な印象については、右の元画像と比較いただくとお判りの通り、

・色調が変わること:白側に飛んでいる
・そのせいか、精細感が失われていること

が、一見してわかります。特にフルカラーで見たとき、元絵の空の青さの色解像感はなかなかのものがありますが、すーぱーてろっぱーを通した画像では失われてしまいます。
ただし、画像として破綻しているわけではありません。ちらつきが出るわけでもありませんから、アマチュアの画質として、不満はないでしょう。

なお、すーぱーてろっぱー使用時、画面の左右と上下に「帯」状のものが入りますが、これは、NTSC安全域の外側ですので、TVで画面を見る分には隠れて見えませんので、ご安心を...。

  

肝心のテロップについては、JPEG画像をご覧頂くとわかるとおり、

・背景は、非常にきれいに抜けている(この場合白をキーにした)
・テロップ文字のエッジにもジャギーはない
・テロップ文字のちらつきはない

ことがわかります。

こうしてみると、「すーぱーてろっぱーを使用して、Macをビデオタイトラ」というのは、現実的ですし、定価\68,800-を考えると大満足、コストパフォーマンスはとてもよいといえます。


(その他)

もともとDOS/V用なので

・すーぱーてろっぱー付属品の他、「Macモニタ出力→VGA端子」変換アダプタを別途用意する必要があります。ちなみに一部の98もVGA変換コネクタが必要です。

私は、ナナオのDip Switch付を使ってますが、すーぱーてろっぱー使用時は、このDip Switchの設定は「VGAモード」にする必要があります。「On-the-Flyモード」や「13インチ固定モード」ではうまくいきません。

・付属ソフトはWIN95/NT用です。大したソフト(失礼!!)でないので、Macで使っていても不便はありませんけど...(笑)。
ちなみに、ドライバの類は不要ですから、Macでもそのまま使えるわけですねえ。


(総評)

Mac環境においては唯一の「安価なスーパーインポーズ可能な機器」であることを考えると、長尺ものビデオ編集を楽しんでおられるアマチュアの方なら、「買い」

長尺ものを本格的にやっておられる方にとっては、

どうして、タイトル入れぐらいで(Premiereなんかでのレンダリングに)こんなに時間がかかるの??

と、身にしみておられるはずですから、ねえ(笑)。

それに、Macの多彩な環境、すなわち、フォント(TrueType、ATM、QuickDrawGX)、QuickTimeやQuickDraw 3D、などを利用したスーパーインポーズが可能になることは、応用を考えると素晴らしいですね
(専用ビデオ機器(タイトラー)とは、機能面で比較になりません)。

   

8500+MOMENTOで、再生・録画のビデオデッキをコントロールし、
Powerbookから、すーぱーてろっぱーでのテロップ出しを行ってますが、専用タイトラを使っているみたいで、なかなか楽しいですよ。

アナログも、まだまだ捨てがたいですね。

      
 

98.01.02初稿
98.08.22修正

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