MOMENTOは、Macらしいユニークなソフトの開発で有名な（株）コーシングラフィックスシステムズの製品。カット編集とQuickTime Movieを自在に組み合わせ、実に快適なビデオ編集環境を、いかにもMacらしい操作方法で提供してくれる。それでは、そのユニークな機能を眺めながら、リニア・ノンリニアハイブリッド編集に挑戦してみよう。

　まずは例として、旅行で撮影してきた数本のDV（デジタルビデオ）テープを素材にして、1時間の旅行記ビデオを作る場合を考えよう。1時間分の編集ともなると、すべてをノンリニアで処理することは不可能であり、やはりリニア（テープ to テープカット）編集を中心に行うことことになる。そこで、編集に取り掛かる前に、作品中でやってみたいことを列挙すると。

• 旅先でビデオを撮りまくったのはよいが、何本ものテープの山から見たいシーンを探すのは大変だ。しかも後になってみると不要なシーンばかり。こんな時、不要カットを削除して1本のテープにまとめるだけでぐっと見やすくなし、他人に見せることもできる。
• しかし、カットをただ単に繋ぐだけではつまらない、できればA/Bロールを使ってカット繋ぎをかっこよくできないだろうか？
• ノンリニアはここぞというところに絞っていろいろ遊びたい。オープニングロールはノンリニアで凝りに凝りたいし、観光スポットのシーンではテロップを流したい、移動シーンでは地図のイラストを使って説明したい。

と、いったところだろうか。まさにリニア・ノンリニアハイブリッド編集の典型例といえる。

　図1は、筆者が使用している機器構成である。